作業療法士を目指す方へ

作業療法士とは

作業療法士は、リハビリテーションの専門職の一つ。
医療・介護をはじめとした幅広い分野で活躍しています。入浴や食事など日常生活の動作や、手工芸、園芸及びレクリエーションまであらゆる作業活動を通して、身体と心のリハビリテーションを行う専門家です。その人らしい生活を取り戻す、または 見つけるお手伝いをします。

作業療法ってなに?

作業療法についての詳しい説明、広報ビデオ、広報誌などが掲載されております。
リンク先は、(一社)日本作業療法士協会のホームページ「作業療法ってどんな仕事?」になります。
(一社)日本作業療法士協会 ホームページ 作業療法とは

作業療法の実際

からだ

病気やケガにより障がいをもった方が対象です。

– 実例 –
53歳の主婦、山川さん(仮名)は夫と娘2人の4人暮らしです。
脳梗塞で右の手足が不自由になりました。

作業療法では、自宅での家族の協力を得ながら料理をすることを目標に、手足の運動や寝返り・起き上がり動作、トイレやお風呂の動作の練習をしました。
退院前には今まで自分の役割だった料理も一緒に挑戦し、簡単なものなら1人でも出来るようになりました。
また、家に手すりをつけるために作業療法士が家庭訪問し、アドバイスをしました。

高齢者

病気や老化により障がいをもった方が対象です。高齢になると機能が回復しにくくなるため、環境の工夫も大切です。

– 実例 –
80歳の稲葉さん(仮名)は、アルツハイマー型認知症を抱えています。施設で生活していますが、自分のいる場所やいる理由がわからず泣いてばかりでした。

作業療法では、まず稲葉さんの気持ちに寄り添うことを心がけました。
落ち着いてきた頃、昔好きだった編み物を提案すると少しの工夫で編めるようになり、徐々に穏やかに過ごせるようになりました。

こころ

個人の特性やストレスにより、
こころの病気をもった方が対象です。

– 実例 –
50歳の中川さん(仮名)は統合失調症という病気をもっています。
30歳代の頃からあった不眠、被害妄想、暴言が悪化したため、入院となりました。

規則正しい生活と薬物療法により症状が落ち着いてきたので、作業療法が開始されました。
作業療法室の本棚作りやレクリエーションの準備を手伝う中で徐々に自身が持てるようになり、暴言が少なくなりました。

こども

発達段階で障がいをもった方が対象です。発達に応じた活動や遊びを提供しながら、発達促進や生活支援を行います。

– 実例 –
自閉症スペクトラムと診断された4歳の悠くん(仮名)は、階段の上り下りやブランコで遊ぶことができませんでした。

作業療法士は、体を使った遊びを楽しむことを目標に関わりました。作業療法士がブランコで遊ぶ様子を見てもらったり、悠くんの好きな太鼓をブランコに乗せて遊ぶと徐々に真似し始め、自分からブランコを楽しむようになりました。